毎日らぼ

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グラスリップの放送方法についての考察

去る2014年7月~9月、TVアニメ「グラスリップ」が放送された。

監督は西村純二であり、制作はP.A.WORKS、北陸が舞台と、様々な条件から放送前は一定層のファンを期待させていた。

しかし、放送終了後の様子を見ると、どうやら批判を浴びている。ニコニコ動画で、P.A.WORKSの秋アニメを見ていると、グラスリップのことがまるで失敗作で黒歴史であるようにコメントされてしまっている。

どうしてここまで叩かれているのか。それは多くの視聴者が期待したような展開にはならなかったのが、一番の理由である。視聴者の期待する展開にならなかっただけで叩かれる今のアニメの評価も疑問を持つが、今回は本当にグラスリップが評価の低い作品なのか、意味の分からないだけの作品なのか改めて考察し、そこから最も良い放送方法は何かまで言及したい。

 

グラスリップについての考察は、これが詳しい。

グラスリップが意味不明な人のための各疑問に対する考察 - NAVER まとめ

ここに以下の引用を加える。

西村純二は、true tearsに登場したニワトリについて

「わがままの象徴、自分の生涯を軽々と始め終わらせる卓越者」

と述べており、この意味についてはグラスリップにも受け継がれているだろう。(引用:true tears公式資料集p284)

また、true tearsについては

「日本の青少年の恋心の発露の仕方。まどろっこしくて、切ない」

と、10年後にも注目してほしい部分を述べている。(引用:true tears公式資料集p285)

また、作品の所々で登場した止め絵。この演出はtrue tearsでも使われている。グラスリップだけではない。

さらに、P.A.WORKSの堀川社長は

「まず前提として、「恋愛物」「人と人との関係」を描きたいと思いました。高校生によくある〝恋に落ちた〞というピュアな感情、そしてそこからもう一歩踏み込んで〝人を深く理解する〞ということはどういうことなのかを考えていきたいと思ったんです。」

と述べており、今日の恋愛を描くアニメ作品に多い「ドロドロな恋愛」を意識したわけではないと言える。(引用:広報さかい p6)

 

と、このように一見すると何をしているのかわからないことについても、監督のコメントや、インタビュー記事などを読んでみると、監督が伝えたいこと、描きたいことが伝わってくる。さらに、true tearsと比べると~とも言われているが、true tearsと似たような手法、演出が使われている。「true tearsが最高だった、グラスリップは糞」という人は、岡田麿里病(岡田麿里の脚本でないと満足しない病気、勝手に命名)であると考えられるので、一度認識を改めるべきだ。

 

さて、グラスリップをこれほど叩く人が存在するということから、今日の深夜アニメはただ単に視聴者が何も考えずに見ている、という状況が見えてくる。何も考えずに見て楽しんでいるのである。ところが、エヴァンゲリオン攻殻機動隊言の葉の庭など、アニメーション映画作品に置いては、非常に考察される事が多い。考察し、意味を考えることが当たり前のように。

つまりグラスリップは劇場作品として、TVアニメ13話ではなく、1つの映像作品としての流れとして放送(放映)されたら、評価は180度変わっていたのではないだろうか。

この方法がうまくいくのかどうか、そして評価が変わるのか、13話全部を連続視聴して確認することでわかるだろう。是非、試してみてほしい。